最初の目標は「形を作り、1枚の画像にする」

Blenderは、形を作るモデリング、動きを付けるアニメーション、画像を計算するレンダリング、映像の合成や編集までを扱う3D制作ソフトです。無料で利用でき、ソースコードが公開されています。

機能の一覧を最初から覚えようとすると、何を使えばよいのか見失いがちです。最初の練習では、マニュアルから静止画の制作に必要な基礎を選び、準備、画面、配置、形、材質、光、画像出力の順に整理します。

制作の流れと、それぞれの役割

  1. シーンを用意する。シーンは、物体・照明・カメラなどを置く制作の場です。
  2. オブジェクトを配置する。移動・回転・拡大縮小で、物体の位置や向きを決めます。
  3. メッシュを編集する。頂点・辺・面を操作して、物体そのものの形を変えます。
  4. マテリアルを設定する。表面の色、粗さ、金属らしさなどを決めます。
  5. ライトとカメラを整える。どこを照らし、どの範囲を画像にするか決めます。
  6. レンダリングして保存する。シーンから画像を計算し、画像ファイルとして書き出します。

各工程はつながっています。色を変えても光がなければ見え方は変わり、形を作ってもカメラの外にあれば画像には入りません。困ったときは、いま扱っている工程を確認すると原因を絞れます。

最初の練習で使うものと、できあがるもの

練習には、標準の新規ファイルにあるCube(立方体)、Light(ライト)、Camera(カメラ)を使います。追加の素材やアドオンは必要ありません。立方体の選択と移動を試し、上面を少し押し出し、色を付け、最後にPNG画像として保存する流れです。以下の練習順に沿って各記事の「小さな練習」を進めれば、一つのファイルで基本の工程をたどれます。

完成の目安は、形と色を変えた立方体が画像に写り、編集用のfirst-cube.blendと閲覧用のfirst-cube.pngが手元にあることです。凝った作品に仕上げるより、操作と結果のつながりを確認することを優先します。練習手順やファイル名、数値は編集上の補足で、すべての画面操作を通して確認した作例ではありません。

この連載の読み方

初めての人は、このページで案内する練習順に進んでください。詳説の章番号は分野別の並び順です。操作を追うときは記事とBlenderを並べ、一つの手順ごとに結果を確かめます。各記事には、マニュアルの要点、操作手順、主要設定と注意点を置いています。操作名は英語を併記します。日本語の表示が多少違っても、英語名を手がかりに該当項目を探せます。

操作の前提はBlender 5.2系、標準のBlenderキーマップ、左クリック選択です。macOSを基本に、Windowsで異なる箇所を補足します。独自のキーマップではショートカットが一致しないことがあります。キーだけに頼らず、メニューから操作する方法も確認しましょう。

操作説明の記号

  • File → Save:「File」というメニューを開き、その中の「Save」を選びます。3D Viewportの操作なら、そのエリアのメニューを使います。
  • Command+S:Commandを押したままSを押す、同時押しです。Macの⌘はCommand、⌥はOption、⌃はControlを表します。
  • G → Z → 1 → Enter:キーを順番に押し、最後にEnterで操作を確定します。文字や数値は半角で入力します。日本語入力中は英数入力へ切り替えてください。
  • クリックとドラッグ:クリックは押して離す操作、ドラッグは押したまま動かす操作です。中央ドラッグは、マウスのホイールを回すのでなく押し込んだまま動かします。

いまは後回しにしてよいもの

アニメーション、リギング、シミュレーション、ジオメトリノード、複雑なUV展開、映像合成は、それぞれ独立して学ぶ価値のある分野です。最初の静止画を作る段階では、すべてを理解する必要はありません。まず基本の工程を一巡し、作りたいものに合わせて次の分野を選びます。

混同しやすい三つの言葉

  • ビューとカメラ:ビューは作業中の見方。カメラはレンダリングする構図を決めるものです。普段の視点操作だけでは、カメラの位置は通常変わりません。
  • オブジェクトとメッシュ:オブジェクトは位置や回転などを持つ単位。メッシュは、その中の頂点・辺・面からなる形のデータです。
  • 保存と画像出力:.blendは編集を続けるためのプロジェクト。PNGなどは完成画像です。どちらか一方の保存で、もう一方も保存されるわけではありません。
Blender 5.2.2で出力した、上面を0.3押し出して青緑の材質を付けた立方体
到達目標:960×540のPNG。実際のBlender出力です。図を押すと拡大できます。

初めての1枚を作る練習順

追加素材やアドオンは使わず、GeneralシーンのCube・Camera・Lightで進めます。同じfirst-cube.blendを保存しながら、必要な節を次の順に読んでください。練習の数値と確認順は編集上の補足です。5.2.2の背景実行で形状・材質・PNG保存・再読込を確認しています。キー操作や画面遷移の通し検証とは区別してください。

  1. Blenderをインストールし、入力設定と最初のファイルを用意する
  2. 画面と視点操作を覚える
  3. 選択・移動・回転・拡大縮小を試す
  4. 編集モードで上面を押し出す
  5. 単色の材質を作り、色と粗さを比べる
  6. 初期ライトとカメラで明るさと構図を決める
  7. 960×540のPNGと編集用の.blendを保存する

マニュアル全体を分野から読む

Blender 5.2 LTS Manualの参照EPUB版の主要分野を、日本語の解説25章へ整理しました。初めて使う方向けの設定と練習も、各分野の記事へまとめています。各章で概要に続き、前提から操作の順、主要設定の意味、結果の見方、制限や失敗時の確認を扱います。

最初は実践の手順を追い、結果を変えたいときに設定表へ戻ってください。Geometry Nodes・シェーダー・Compositorには主要ノードの入出力と接続例を、物理・描画・映像編集には準備から保存までの手順を収録しています。以下の「実践へ」から各章の操作説明へ直接進めます。

底本はEPUB版(メタデータ上の日付:2026年10月19日)(2,362 XHTML)。英語の箇所を翻訳し、既存の日本語訳も参照して要約・再構成しました。全ページの逐語訳ではなく、個別ノードの全ソケット、全設定値、形式別の全互換条件、開発用APIの詳細までは収録していません。学習順・確認例は編集上の補足です。検証の方法と対象は各章の「検証した範囲」に記載しています。

操作・形状制作・ペイント

ノード・描画・アニメーション・物理演算

材質・レンダリング・合成・映像

保存・拡張・トラブル対処・原典

目的から選ぶ読み方

困ったときの入口

必要なときに読む参考資料

出典と利用条件

導入の制作工程と基本用語で参照したマニュアルの項目:

原著:Blender Documentation Team、Blender 5.2 Manual。底本はBlender 5.2 LTS ManualのEPUB版です。ファイル内の発行日時メタデータは2026年10月19日で、記事の検証日とは別です。原典のライセンス表示に従い、裏庭(Uraniwa)が翻訳・要約・再構成・説明の補足を行いました。この記事の本文・補足・独自の図解と作例画像はCC BY-SA 4.0で公開します。Blender公式による記事・推奨を示すものではありません。原典で適用対象外とされるロゴ・商標・アイコン・ソースコード・Pythonスクリプトなどには、この許諾は適用しません。