分野別の詳説:参照したマニュアルの主要な仕組み・操作・設定を翻訳・要約・再構成した日本語解説です。全項目の逐語訳ではありません。確認順や例は編集上の補足です。手順から先に読み、必要なときに後半の仕組みの解説へ進めます。
この章の目標:線画と塗りから動きを作る。
準備:Grease Pencil・Draw Mode。
実践:線画と塗りを分け、一つの動きを作る
- Grease Pencilを追加し、Draw Modeで描画します。作業用のAnnotationsを選んでいないことを確認します。
- 描画の配置方法とDrawing Planeを決め、正面など一定の視点に合わせます。短い線を引き、別の視点から奥行きが意図どおりかを確認します。
- 線画用レイヤーと塗り用レイヤーを用意し、アクティブなレイヤー名を確認します。線画を誤って動かしたくない段階ではロックを使います。
- Strokeが有効なマテリアルで線を描き、Fillが有効なマテリアルで塗ります。塗り領域が閉じない場合は、輪郭の隙間とFillの判定を調べます。
- Dope SheetのGrease Pencil用の表示で、絵のあるフレームを複製し、別の時刻へ移動します。新しい時刻の絵を編集して違う姿勢にします。
- Onion Skinningで前後の絵を見ながら調整し、再生で継続時間を確かめます。絵の複製と、オブジェクト変換へキーを付けることは別です。
描く・選択する・線を押して変形する・色を変える操作でモードが違います。目的のブラシが現れない場合は、まずモードとオブジェクト種類を確認します。
描画とレイヤーの設定
| 項目 | 決める内容 | 調整時の注意 |
|---|---|---|
| 描画の配置 | 新しい点をどの位置へ置くか | カーソル基準、面への配置などの方式を確認する |
| Drawing Plane | 線を描く方向・面 | 一枚の絵を描くつもりで奥行きが変わらないようにする |
| Radius・Strength | 線の太さや強さへ関係する設定 | ブラシ、材質、不透明度を別に読む |
| Stroke / Fill | 材質が線・塗りのどちらを表示するか | 材質を選んだだけで既存の線へ全て割り当たるとは限らない |
| Layer Opacity | レイヤーの見え方 | 材質や点のアルファとは別の段階で作用する |
| Layer Lock | 編集の可否 | レンダーの表示を消す操作ではない |
| Layer Mask | 他レイヤーを使う表示範囲 | 対象レイヤーとマスクの有効状態を確認する |
| Onion Skinning | 前後の絵の補助表示 | 実際の描画フレームや最終レンダーと混同しない |
実践:補間で中割りを作る
- 同じレイヤーに、前後の絵のキーフレームを置きます。輪郭やストロークの対応が分かりやすい単純な図形から始めます。
- その間のフレームへ移り、DrawまたはEdit ModeのInterpolateを使って一枚の中間形を作ります。
- 複数の中割りが必要な場合はInterpolate Sequenceを使い、Step、ActiveかAll Layersか、Only Selected等を決めます。
- Flip ModeやSmooth、Iterations、補間方式を必要に応じて調整します。途中の線がねじれるなら、前後で線の始点・終点や対応が違わないかを見ます。
- 自動生成した絵を再生で確認し、必要な部分を手で直します。補間は演技や形の破綻を自動で判断するものではありません。
変形と効果を追加する手順
Edit Modeでは点・ストロークを選んで形を編集します。Sculpt Modeではブラシの範囲へ変化を与えます。Multiframeを使っている場合は複数の絵へ作用するので、一枚だけ直したいときは対象範囲を狭めます。
モディファイアーはThickness、Noise、Tintなど目的を一つずつ追加し、対象のレイヤーや材質を絞る設定がある場合は利用します。Line Artは3D形状から線を生成する別の入口です。線が出ない場合は参照するソース、レイヤー、材質、カメラや可視性を調べます。
Visual Effectsは画面上のぼけ・発光・影などへ利用できますが、使用エンジンとの対応があります。線そのものを細分化する処理と、見た目の効果を加える処理を区別します。出力サイズで線が細すぎる場合も、解像度を上げるだけでなく線の太さと表現の関係を見直します。
仕組みと用語を調べる
3D空間に線を置く
Grease Pencilは、3D空間の中で線と塗りを使うオブジェクトです。手描きの2Dアニメーション、ストーリーボード、3Dと組み合わせる表現に使います。Annotationsは作業用の注釈であり、作品として描画・編集するGrease Pencilとは分けて考えます。
平面上へ描くように見えても、ストロークは空間内の位置を持ちます。描画面や配置方法が違うと、視点を動かしたときの見え方も変わります。カメラに正対する面、3D Cursorを基準とする位置、既存の面に沿う配置など、目的に合う前提を選びます。奥行きが不要な作品では、作業中の視点と描画面をそろえると混乱を減らせます。
オブジェクト・レイヤー・フレーム・ストローク
一つのオブジェクトが複数のレイヤーを持ち、各レイヤーの時間上に絵を置きます。レイヤーは背景、線画、塗りなどを分ける単位で、オブジェクトを分けることとは違います。ストロークは点の列を持ち、その点の位置、太さ、不透明度などが線の形と見た目へ関係します。
レイヤーツリーでは表示、ロック、Onion Skinning、マスクを管理します。隠したレイヤーはビューポートとレンダーの表示へ影響し、ロックは編集を制限します。編集できないときに新しいオブジェクトを作る前に、アクティブレイヤーとロックを確認します。レイヤーグループは構造を整理しますが、別の描画素材そのものではありません。
描く・塗る・消す
Draw Modeでブラシを選び、半径、強さ、筆圧、ストロークの設定を整えます。線を自由に描く方法に加え、直線、円などの基本形を使えます。細部を大量に描く前に、一定の視点と描画面で短い線を置いて、狙った位置へ描けているかを確かめると整理しやすくなります。これは編集上の確認例です。
Fillは領域を塗る機能です。線のすき間、閉じ方、レイヤーとの関係で結果が変わります。見た目で輪郭が閉じていることと、塗りの判定が閉じていることは必ずしも一致しません。Eraserも、線全体を消すか一部を消すかなど方式が異なるので、太さだけで動作を判断しません。
マテリアルと色属性
Grease PencilのマテリアルではStrokeとFillの表示を設定します。メッシュの表面用Principled BSDFを調整する説明と、そのまま混ぜないようにします。線と塗りの有効状態、色、不透明度を確認し、どの材質を描画に使うかを選びます。
頂点色による着色と、マテリアルの色を利用する方法は別です。色を変えたのに一部だけ変わらない場合は、既存のストロークが使う材質と色属性を調べます。同じ材質を共有した線へ色の変更が広く伝わる場合もあります。線画と塗りを別に管理したいなら、レイヤーと材質の役割を先に決めます。
形の修正と変形
Edit Modeではストロークや点を選択し、移動、分割、削除、簡略化などを行います。Sculpt Modeではブラシの範囲へ押す、ならす、太さを変えるといった修正を加えます。Vertex Paintは色、Weight Paintは変形へ使う重みを編集します。同じブラシ形状でも、何の値を記録するかはモードによって違います。
マルチフレーム編集では複数の絵へ一度に変更を加えられます。現在フレームだけを直したつもりで他の絵まで変わらないよう、対象範囲と選択状態を確認します。描いた線の数を減らす簡略化は、輪郭、筆圧の変化、補間の見え方にも関係します。
キーフレームと中割り
Grease Pencilでは時間上に絵のキーフレームを置きます。オブジェクトの位置をキーで動かすことと、絵そのものを描き替えることを区別します。Dope Sheetの対応する表示で、絵の時刻や継続を整理します。空のキーフレームを作ることは、前の絵を複製して修正することとは異なります。
Onion Skinningは前後の絵を薄く表示し、動きのつながりを確認する補助です。補助表示そのものが最終画像へ描き込まれるわけではありません。Interpolateは前後のストロークから中間の形を作り、Interpolate Sequenceは指定間隔で中割りフレームを追加します。線の対応や始点・終点の向きが合わない場合、意図した変形にならないことがあります。
モディファイアーと効果
Grease Pencilには生成、変形、色、編集のための専用モディファイアーがあります。Thickness、Noise、Tint、Opacityなどの処理は線や色を加工し、Mirror、Array、Armatureなどは配置や変形に使います。Line Artは3Dシーンから線を生成する用途で、手描きのストロークを編集する工程とは入口が違います。
Visual EffectsではBlur、Glow、Shadow、Rimなどの効果を加えられます。使用するエンジンと効果の対応を確認します。線の形、材質、照明、効果を同時に大きく変えると原因を追いにくいため、出力先のカメラから見ながら一段ずつ整えます。古いGrease Pencil解説を参照する場合は、参照EPUB版とデータ構造・設定が同じかも確認してください。
検証した範囲
最終確認:2026年10月23日。本文の手順・設定は参照EPUB版を基に整理しています。この章固有の操作はBlenderで実行検証していません。図は考え方と確認点を示す模式図です。実行済みの作例としては扱わないでください。
出典と利用条件
この記事で参照したマニュアルの項目:
- はじめに
- Grease Pencil Structure
- Layers(レイヤー)
- Grease Pencil Material Properties
- はじめに
- Interpolation(補間)
- Grease Pencil Modifiers
- Stroke Placement
- Drawing Plane
- Fill Tool
- Onion Skinning
- Multiframe
原著:Blender Documentation Team、Blender 5.2 Manual。底本はBlender 5.2 LTS ManualのEPUB版です。ファイル内の発行日時メタデータは2026年10月19日で、記事の検証日とは別です。原典のライセンス表示に従い、裏庭(Uraniwa)が翻訳・要約・再構成・説明の補足を行いました。この記事の本文・補足・独自の図解と作例画像はCC BY-SA 4.0で公開します。Blender公式による記事・推奨を示すものではありません。原典で適用対象外とされるロゴ・商標・アイコン・ソースコード・Pythonスクリプトなどには、この許諾は適用しません。