分野別の詳説:参照したマニュアルの主要な仕組み・操作・設定を翻訳・要約・再構成した日本語解説です。全項目の逐語訳ではありません。確認順や例は編集上の補足です。手順から先に読み、必要なときに後半の仕組みの解説へ進めます。
この章の目標:二つの位置キーから動かす。
準備:Object Mode・Auto Keyframeは無効。
実践:位置の二つのキーから動きを作る
- Object Modeで動かす物体を選び、Timelineをフレーム1へ移します。Auto Keyframeを使わない場合は、その有効状態を確認します。
- Locationの欄のコンテキストメニューからInsert Keyframeを使います。欄ごとに記録すれば、何をキーにしたかを明示できます。
- フレーム25など別の時刻へ移り、Locationの一成分を変更して再びキーを入れます。フレーム番号と移動量は編集上の例です。
- フレームを中間へ戻し、値が補間されることを確認します。数値が元へ戻る場合は、新しい時刻でキーを記録したかを見ます。
- Dope Sheetで二つのキーの位置を確認し、Graph EditorでLocationの該当成分を選びます。
- 補間をLinear、Bézier、Constantで比べます。区間内の速度や切り替わりを変えたいときに使います。到達位置を変える操作とは別です。
参照EPUB版の3D ViewportのIは、Default Key Channelsや有効なKeying Setによって記録対象が変わります。古い解説のように常に同じ挿入メニューが出るとは限りません。特定の欄へキーを入れる手順なら、不要な回転・倍率まで記録するのを避けられます。
Fカーブの設定を動きへ結び付ける
| 設定 | 変えるもの | 結果の読み方 |
|---|---|---|
| Constant | 次のキーまで値を保持 | 表示の切り替えや段階的な変化。滑らかな移動にはならない |
| Linear | キー間を直線で結ぶ | その成分の値が一定の変化率で動く |
| Bézier | キー間を曲線で結ぶ | ハンドルで加速・減速を調整する |
| Handle Type | ハンドルの自動計算・固定等 | 値の行き過ぎや接線のつながりを調整する |
| Extrapolation | キーの範囲外の挙動 | 最初・最後の値を保持するか、変化を続けるか |
| Cyclesモディファイアー | カーブの反復 | 最終と先頭の値・傾きが合わないと継ぎ目で飛ぶ |
| Noiseモディファイアー | 値への揺らぎ | 強さと時間のスケールを区別する |
| Mute・Lock | 評価や編集の制限 | 非表示フィルターとは異なる。キーの削除ではない |
キーの補間設定は、通常そのキーから次のキーへ向かう区間へ関係します。カーブが目的の値を越える場合、キー位置だけを修正するよりハンドルの種類や形を調べます。複数成分を別々に変えると、空間内での速度が一定になるとは限りません。
実践:ActionをNLAへ並べる
- Action Editorで作成した動作へ名前を付けます。対象が参照しているActionとSlotを確認します。
- NLA EditorのAction TrackにあるPush Down Actionを使い、現在のActionをストリップにします。AddのActionから既存Actionを追加する方法もあります。
- ストリップを移動し、シーン上の開始位置を変えます。内部のActionのキーがある時刻と、ストリップを置く時刻を区別します。
- 必要に応じて長さ、繰り返し、時間の伸縮、ブレンド方式とInfluenceを調整します。同じActionを参照する別ストリップも、元のAction編集の影響を受けます。
- 隣り合う動作のつなぎ目ではTransitionやブレンドを検討し、重複するチャンネルへどのトラックが作用するかを確認します。
- 中身を直すときはTweak ModeなどでActionを編集します。ストリップの範囲変更だけで元キー自体を編集したつもりにならないようにします。
記録・削除・ベイクの違い
Delete Keyframesは現在時刻など対象範囲のキー削除、Clear Keyframesは対象の全キーを消す操作です。キーを消してもNLAやドライバー、制約が値を決めている場合は動きが残ることがあります。まず評価の出所を調べます。
Auto Keyframeは有効にした後の操作を記録する仕組みで、以前に変更した全プロパティを遡って保存するものではありません。Keying Setや既存チャンネルに対する設定も結果へ関係します。意図しない記録を避けるため、動かす対象と現在時刻を確認してから編集します。
制約や物理演算の結果を外へ渡すなら、Bake Action等で評価結果をキーへ記録する方法があります。Visual Keying、対象、フレーム間隔、制約を残すかなどを目的から決めます。ベイクは元の制御構造をそのまま別形式へ保存する意味ではありません。元ファイルを保持します。
仕組みと用語を調べる
キーは時刻と値の組
キーフレームは、あるフレームにプロパティの値を記録します。位置だけでなく、回転、スケール、材質の値、ライトの強さなども、対応するプロパティであれば動かせます。時間を移動して数値を変えるだけでは、必ずアニメーションとして記録されるわけではありません。
編集上の確認例として、1フレーム目に物体のLocationを記録し、別のフレームへ進んで位置を変え、同じLocationを再び記録します。途中へ時間を移動すると、二つの値の間を補間した結果が現れます。キーを入れた対象、プロパティ、時刻を分けて確認することが基本です。オートキーは記録を補助しますが、意図しない値へキーを作ることもあります。
フレーム範囲と再生速度
開始・終了フレームは作品の時間範囲、FPSは1秒に何フレームを使うかです。再生時に処理が追いつかないことと、作品の設定FPSが違うことを区別します。同期のためにフレームを落として再生する設定もあり、プレビューの見え方だけで計算結果の欠落と判断しません。
FPSを途中で変えると、同じフレームに置いたキーでも秒単位のタイミングが変わります。音声や他の映像と合わせる場合は、時間の基準を先に決めます。Preview Rangeは作業確認の範囲として使い、最終出力の開始・終了を確認することとは分けます。
TimelineとDope Sheet
Timelineは再生・停止、現在の時刻、範囲を扱う入口です。Dope Sheetは複数の対象やプロパティのキーを並べ、どのタイミングに何が起きるかを調整します。キーの移動、複製、スケール、削除は、選択したチャンネルと範囲へ作用します。
チャンネルには非表示、ミュート、ロック、選択フィルターなどがあります。キーが消えたように見えたら、データがなくなったのか、表示から除かれたのかを分けます。マーカーは演出上の目印や時刻の整理に使えますが、マーカーを置くだけで物体の動きが記録されるわけではありません。
Fカーブと補間
Graph Editorは、横軸を時間、縦軸を値として変化を表示します。LocationのX・Y・Zは別々のカーブです。キーの間の線を変えると、到着時刻を変えずに加速や減速を調整できます。キーの高さを変える操作は値を、横へ動かす操作は時刻を変えます。
Constantは次のキーまで値を保ち、Linearは区間を一定の変化率でつなぎ、Bézierはハンドルで曲線を調整します。Bézierの自動的な曲がりによって、キーの値を越える変化が生じることがあります。床に接地する物体などでは、キーの位置だけでなく区間の軌跡も調べます。Extrapolationは最初と最後のキーの外側でどう振る舞うかを扱います。
回転とカーブの加工
Euler回転は軸ごとの角度で扱いやすい一方、回転順やジンバルロックに注意します。Quaternionは別の回転表現で、軸ごとのカーブを同じ意味で編集できるわけではありません。途中で回転モードを切り替える前に、既存キーとの関係を確認します。
FカーブのCyclesは反復、Noiseは揺らぎなどを加えます。モディファイアーの計算結果と、元のキーは別です。繰り返しを追加してからキーの数を数えても、すべての変化をキーとして確認できるとは限りません。ベイクは評価結果をキーへ記録する手段ですが、キー数と後からの修正量も増えます。
ActionとSlots
ActionはアニメーションのFカーブを保存するデータブロックです。歩く、走る、待つといった動作を名前付きで整理し、別のファイルへ読み込んだり再利用したりできます。オブジェクトが自分自身の中へすべてのカーブを直接持っている、と考えるより、Actionを参照していると考える方が管理しやすくなります。
参照EPUB版ではActionの中をSlotsで分けます。動かすデータブロックはActionとSlotを指定して、どのカーブを使うかを決めます。一つのActionへ物体の動きと材質の色変化を別Slotとして保存する構成も可能です。Slotsは特定の物体へ永久に固定されるものではありません。Action名が正しくても動かない場合は、Slotと対象の型・プロパティも確認します。
NLAで動作を組み合わせる
NLA EditorではActionをストリップとして時間軸へ配置し、複数の動作を再利用します。ストリップの開始・終了、繰り返し、時間の伸縮、Influence、ブレンド方式によって結果が変わります。ストリップ内のActionの時刻と、シーン上の配置時刻は別です。
Tweak ModeでActionの中身を編集することと、ストリップ全体を移動することは違います。複数トラックが同じプロパティへ作用すると、ミュートやブレンドの設定も結果へ関係します。現在のActionとNLAの両方を確認し、どこから値が来ているかを追います。
レンダリング前の確認
動きが再生できることと、出力設定が正しいことは別です。対象のカメラ、フレーム範囲、FPS、モーションブラー、シミュレーションのキャッシュ、画像・音声の参照先を確認します。長い出力では連番画像にすると、途中で停止しても既存フレームを利用して再開しやすくなります。連番を動画へまとめる工程はVideo Sequencerで扱えます。
検証した範囲
最終確認:2026年10月23日。Blender 5.2.2 LTS(macOS / Apple silicon)を背景実行し、次の内容を確認しました。
- Location Xの1/25フレームのキーを作成し、13フレームの補間値1を確認。NLA編集は未検証。
背景実行ではPython APIを使用しています。マウス・キー入力、画面遷移、インストール、各入力機器での操作を通して確認したものではありません。上記にない応用・設定の組み合わせは実行未検証です。
出典と利用条件
この記事で参照したマニュアルの項目:
- はじめに
- Editing Keyframes
- Actions
- はじめに
- F-Curve Modifiers(Fカーブモディファイアー)
- はじめに
- ストリップ
- Markers(マーカー)
- Sidebar(サイドバー)
- Editing F-Curves
- Keying Sets(キーイングセット)
原著:Blender Documentation Team、Blender 5.2 Manual。底本はBlender 5.2 LTS ManualのEPUB版です。ファイル内の発行日時メタデータは2026年10月19日で、記事の検証日とは別です。原典のライセンス表示に従い、裏庭(Uraniwa)が翻訳・要約・再構成・説明の補足を行いました。この記事の本文・補足・独自の図解と作例画像はCC BY-SA 4.0で公開します。Blender公式による記事・推奨を示すものではありません。原典で適用対象外とされるロゴ・商標・アイコン・ソースコード・Pythonスクリプトなどには、この許諾は適用しません。