分野別の詳説:参照したマニュアルの主要な仕組み・操作・設定を翻訳・要約・再構成した日本語解説です。全項目の逐語訳ではありません。確認順や例は編集上の補足です。手順から先に読み、必要なときに後半の仕組みの解説へ進めます。

この章の目標:映像と音声をMP4へ書く。
準備:24fps・1〜24フレームの練習。

映像と音を配置 → Media Type: Video → MPEG-4 / H.264 / AAC → Render Animation。成功:1秒のMP4を音付きで再生できる。注意:Audio CodecがNo Audioのまま
手順と確認点の模式図。図を押すと拡大できます。

実践:二つの映像と音声から短い動画を作る

  1. Video EditingテンプレートなどでSequencerを開き、Newまたは既存のSequencer Sceneを選びます。そのシーンのFPSと出力サイズを先に決めます。
  2. AddのMovieで一つ目の素材を追加します。別ストリップとして読み込まれた音声があるかも確認します。
  3. 使う区間をハンドルで調整し、必要ならSplitで分けます。素材ファイル自体を切断・上書きする操作ではありません。
  4. 二つ目の素材を別チャンネルへ追加し、切り替える時刻へ置きます。二つを選んでAddのTransitionからCross等を追加します。
  5. AddのSoundで音声を追加し、位置、音量、フェードを調整します。重なるSoundは混合され、画像の上下関係と同じ意味で下の音が隠れるわけではありません。
  6. Previewで全体を確認し、開始・終了、空白、映像と音の対応を整えます。個別ストリップのプレビューだけを見ていないかにも注意します。
  7. Output PropertiesのFormatでResolutionを1920×1080、Percentageを100%、Frame Rateを24 fpsにします。例として1秒ならFrame Startを1、Endを24にします。実際の素材のFPSが違う場合は、最初に決めた編集用FPSを保ち、出力時だけ変えないようにします。
  8. Outputの保存先を自分の作業フォルダーのedit-check.mp4にし、出力を有効にします。Media TypeをVideo、EncodingのContainerをMPEG-4、Video CodecをH.264、Audio CodecをAACにします。No Audioでは音は入りません。ChannelはStereo、Sample Rateは48000 Hzを例とします。
  9. Post ProcessingでSequencerを有効にし、この練習では不要なCompositingを無効にします。編集しているSequencer Sceneが出力対象であることと、音声ストリップがミュートされていないことを確認します。File → Saveで.blendを保存します。
  10. Render → Render Animationを選び、指定範囲を書き出します。完了後、保存先のMP4を再生して、最初と最後の映像、長さ、音声、同期を確認します。1〜24フレーム・24 fpsなら長さは1秒です。先頭や末尾が黒ければ、シーン範囲とストリップの範囲を見直します。

Crossは、参照EPUB版では重なるストリップだけでなく、間に空白があるストリップにも使えます。その場合は前の末尾・後の先頭のフレームが延長され、映像が止まって見える場合があります。自然な切り替えのための素材の長さと、効果の区間を考えます。

ストリップの主要設定

設定・機能変えること注意点
Start・Length・Offsetシーン上の位置と使用する素材範囲元動画の時刻と編集上の時刻を区別する
ハンドル・Split使用区間の切り詰めと分割音声と映像を別々に動かしてずらさない
Blend Mode・Opacity下の画像との重ね方上のチャンネルが常に完全に不透明とは限らない
Position・Scale・Rotation画像内の変換ストリップ全体の時間移動とは異なる
Filter画像変換時の補間Nearest、Bilinear、Cubic等で鮮明さと処理が変わる
Crop画像の切り取りScaleで小さくすることと同じではない
Speed関連素材の時間の使い方FPS、区間、音声の長さとピッチを別に考える
Meta Strip複数の編集要素のまとめ新しい動画へ焼き込む処理ではない。外部参照は残る
Adjustment・Compositor複数の画像や既存ストリップへの処理対象範囲とノードグループへの入出力を確認する

実践:プロキシで編集を軽くする

  1. 重い素材のストリップを選び、SequencerのProxy設定を開きます。使用する代理解像度と保存場所を設定します。
  2. 必要なProxyをビルドし、プレビューで対応する解像度を使います。設定しただけで代理ファイルができたとは限りません。
  3. 再生を確認し、粗く見える場合はProxyの表示と元素材の画質を区別します。最終レンダーで何を参照する構成かも確認します。
  4. 元動画を移動した場合は、Proxyがあっても元の参照が不要になったとは考えず、パスを修正します。

音声と最終動画を整える

波形の表示はSequencer全体のOverlayとストリップ側のDisplay Waveformの両方へ関係します。波形が見えないことだけで音声がないとは判断しません。Volumeへキーを付ける方法やSound Crossfadeなどを使い、途切れや急な音量差を調整します。

動画にはコンテナと映像・音声コーデックがあります。解像度、FPS、範囲、音声の有無、サンプルレート、チャンネルを揃えます。特定の出力形式を選んだだけで、元音声が必ず含まれるとは限りません。

Scene Stripは別の3Dシーンを参照できます。編集シーンとウィンドウのアクティブシーンが違う場合は、どちらの再生・出力設定を操作しているかを名前で確認します。完成動画だけでなく、素材の外部パス、連番、音声、.blendをまとめて保持すれば再編集へ戻れます。

仕組みと用語を調べる

Sequencer Sceneを用意する

Video Sequencerは動画、画像、音声、3Dシーンなどを時間軸で組み合わせます。参照EPUB版では、編集内容を持つSequencer Sceneを作るか選択します。ウィンドウで表示中の3Dシーンと、Sequencerが編集するシーンが異なる構成を取れるため、どのシーンの出力設定を操作しているかを確認します。

Video Editingのアプリケーションテンプレートは、File Browser、プレビュー、Sequencer、必要なPropertiesなどをまとめた入口です。複数の3DシーンをScene Stripとして並べれば、一つの.blend内でカットを組めます。Sync Scene Timeを使う構成では、編集位置に合わせて参照中のシーンを表示・編集できます。

ストリップとチャンネル

ストリップは、開始位置と長さを持つ素材や処理のまとまりです。横方向が時間、縦方向がチャンネルです。動画、画像、音声、Scene、Movie Clip、Mask、効果などの種類があり、同じ長方形でもデータの役割は異なります。

Addから素材を追加すると、再生ヘッドの位置などを基準に配置されます。動画に付属する音声が別のSound Stripとして追加される構成もあります。素材ファイルのフレーム、ストリップ内で使う区間、シーン上の時刻を分けて考えます。移動、トリミング、速度の変更はそれぞれ別の操作です。

カットと編集の基本

ストリップのハンドルで使う範囲を変え、Splitで区切り、移動で配置を変えます。SoftとHardの分割など、区間を変えた後に元のフレームを利用できる範囲にも違いがあります。削除した後の空白を詰める編集では、後ろの素材と音声の対応も確認します。

重なったストリップがどう見えるかは、チャンネル、ブレンド方式、アルファなどに依存します。上のチャンネルへ置けば必ず下が全部隠れる、という単純な規則だけではありません。プレビューで一つの素材だけを見ている場合は、編集全体の出力を表示しているかも確認します。

トランジションと効果

Crossなどのトランジションは複数の入力を使い、入力の位置と使用区間が結果へ関係します。Crossは間に空白のある素材にも使えますが、端のフレームが延長されて止まって見える場合があります。Colorのように独立した生成素材もあります。効果ストリップは入力の位置や長さに依存するため、効果だけを自由に移動できない場合があります。入力の選択順が意味を持つ処理もあります。

Transform、Crop、色調整、ぼけ、マスクなどを組み合わせられます。ストリップモディファイアーは既存のストリップへ処理を加える方式です。参照EPUB版ではCompositorのノードグループを効果やモディファイアーとして利用でき、独自の画像処理を再利用できます。元素材、処理の順、最終合成を区別します。

Meta Stripとアニメーション

Meta Stripは複数のストリップをまとめ、編集しやすくする仕組みです。内部の構成を保ちながら全体を扱えますが、素材を一つの動画ファイルへ変換したことにはなりません。外部参照は残ります。入れ子にした場合は、今どの階層を編集しているかを確認します。

位置、透明度、効果の値などへキーを付ければ、時間による変化を作れます。素材そのものの動き、ストリップの速度、効果のアニメーションは別です。同じ素材を繰り返し使う場合も、共有する入力と個別に調整する値を整理します。

音声と同期

Sound Stripでは開始位置、音量、ピッチ、パンなどを扱います。波形はタイミングを合わせる目安になります。映像のカットを動かすときは、対応する音声も同じ量だけ動かすかを決めます。ミュート、チャンネル、再生同期も、音が出ない原因になります。

シーンのFPSと素材の速度が合っているかを確認します。プレビューが重いときにフレームを省略して音へ同期する動作と、出力動画のフレームが失われることは別です。最終出力ではコーデックや音声設定も必要で、再生時に聞こえていても保存形式が音声を含まなければ残りません。

プロキシとキャッシュ

高解像度や重い圧縮の映像は、プレビューが遅くなる場合があります。Proxyは軽い代理素材を使って編集しやすくする仕組みです。代理素材の作成、使用する表示解像度、保存場所を確認します。元素材が不要になるわけではありません。

キャッシュは処理結果の再利用です。素材、ストリップ、効果のどこで負荷が高いかを切り分けます。画質が粗く見える場合も、元データを壊したのか、プロキシやプレビューの縮小を見ているのかを先に確かめます。素材のディレクトリを整理すると移動・復旧もしやすくなります。

出力と保存

Sequencer Sceneの解像度、FPS、開始・終了フレーム、出力先を設定します。動画のコンテナ、映像コーデック、品質、音声の有無を確認します。OutputとPost Processingの設定によって、どの処理の結果を保存するかも変わります。

編集内容を保存する.blendと、完成した動画は別の成果物です。外部素材やプロキシも別管理になります。出力後は長さ、冒頭と末尾、映像、音声、同期を確認します。3Dレンダーを含む長い制作では、先に連番で各カットを出力してから編集する構成も選べます。これは再開や修正範囲を小さくする編集上の選択肢です。

検証した範囲

最終確認:2026年10月23日。Blender 5.2.2 LTS(macOS / Apple silicon)を背景実行し、次の内容を確認しました。

  • 24fps・24フレーム、2色ストリップと音声をMPEG-4/H.264/AACへ出力し動画・音声を再読込。実写素材の追跡・Crossは未検証。

背景実行ではPython APIを使用しています。マウス・キー入力、画面遷移、インストール、各入力機器での操作を通して確認したものではありません。上記にない応用・設定の組み合わせは実行未検証です。

出典と利用条件

この記事で参照したマニュアルの項目:

原著:Blender Documentation Team、Blender 5.2 Manual。底本はBlender 5.2 LTS ManualのEPUB版です。ファイル内の発行日時メタデータは2026年10月19日で、記事の検証日とは別です。原典のライセンス表示に従い、裏庭(Uraniwa)が翻訳・要約・再構成・説明の補足を行いました。この記事の本文・補足・独自の図解と作例画像はCC BY-SA 4.0で公開します。Blender公式による記事・推奨を示すものではありません。原典で適用対象外とされるロゴ・商標・アイコン・ソースコード・Pythonスクリプトなどには、この許諾は適用しません。