分野別の詳説:参照したマニュアルの主要な仕組み・操作・設定を翻訳・要約・再構成した日本語解説です。全項目の逐語訳ではありません。確認順や例は編集上の補足です。手順から先に読み、必要なときに後半の仕組みの解説へ進めます。

この章の目標:二本の骨で形を曲げる。
準備:曲げられる分割を持つメッシュ。

HeadとTailを配置 → 骨をExtrude → メッシュを親子付け → Pose Modeで回転。成功:対応した頂点が骨に追従する。注意:Edit Modeで基準姿勢を変えている
手順と確認点の模式図。図を押すと拡大できます。

実践:二本の骨で単純な形を曲げる

  1. 曲げるための分割を持つメッシュを用意します。長い一面だけの形では、途中を滑らかに曲げる頂点がありません。
  2. Armatureを追加し、Edit Modeで最初の骨のHeadをモデルの付け根へ、Tailを最初の関節へ置きます。二点を同位置に重ねず、骨に長さを持たせます。Tailだけを選択して先端側へExtrudeし、二本目のTailを次の関節またはモデルの先端へ置きます。
  3. 形の基準姿勢、骨の名前、Rollとローカル軸を整えます。左右を作る場合は対応する命名を付けます。
  4. Object Modeでメッシュを先に、Armatureを最後に選び、ParentのArmature DeformからWith Automatic Weightsを使います。
  5. メッシュ側にArmatureモディファイアーと対応する頂点グループが作られたかを確認します。
  6. ArmatureのPose Modeで骨を回転します。意図しない部分が動くなら、Weight PaintまたはEdit Modeの頂点グループで影響を調整します。
  7. 姿勢を戻して保存します。基準姿勢を編集するEdit Modeと、動作を付けるPose Modeを混同しません。

自動ウェイトが失敗した場合に、同じ親子付けを何度も重ねないようにします。対象メッシュの接続、重複、スケール、骨と面の位置を調べます。With Empty Groupsは空のグループを作る方式なので、そのままでは重みがありません。

実践:先端を動かすIKを加える

  1. 骨のチェーンを用意し、手先や足先へ当たる骨を決めます。完全に一直線だけの姿勢では曲がる方向が曖昧になるため、基準姿勢の向きも考えます。
  2. 目標となるEmptyや制御用ボーンを用意します。制御ボーンを使う場合は、解くチェーンの子にして循環参照を作らないよう関係を整理します。
  3. Pose Modeでチェーン先端の対象ボーンへInverse Kinematicsコンストレイントを追加し、Targetを指定します。
  4. Chain Lengthを設定します。1なら所有する骨のみ、2ならその親まで、0は先祖全体を含みます。目的以上に背骨などまで巻き込まないよう指定します。
  5. 必要ならPole Targetを置いて肘・膝の向きを決めます。ねじれが出る場合はPoleの位置、骨のRoll、基準姿勢を合わせて調整します。
  6. 目標を動かして、届く範囲と関節の方向を確認します。伸縮させたくない場合はStretchと各ボーンのIK Stretchの関係も調べます。

IKは複数の骨へ作用するため、通常の制約スタック順の説明には例外があります。参照EPUB版では影響を受ける骨の他の制約の後にIKが評価されます。IK後へ別の処理をかけたい構成では、結果を別の骨チェーンへコピーする方法などを検討します。

リグの主要設定

項目役割失敗時に見る箇所
Bone Parent / Connected継承関係と関節の接続HeadとTailが同位置でも親子関係があるとは限らない
Roll骨の軸周りの向きローカル軸の回転、Pole方向、左右での差
Deform骨が変形へ寄与するか制御用の骨を表面の変形へ混ぜていないか
Armature ModifierのObject使う骨格複製時に別のArmatureを参照していないか
Vertex Groups頂点ごとの影響名前、0の重み、別の関節への飛び
Preserve Volume変形時の体積の扱い標準の変形との形の違いを比較する
IK Target / Pole Target先端位置とチェーンの向きターゲットの空間、依存関係、届く範囲
Chain Length / Stretch関係する骨数と伸縮意図しない親まで回る、骨の長さが変わる原因

ポーズ・Rigify・外部出力の整理

ポーズを保存するアセットと、時間を持つActionは別です。姿勢を再利用してから動きへキーを付ける構成も取れます。別のキャラクターへ転用する場合は、名前だけでなく骨の基準姿勢、向き、階層が対応するかを確認します。

Rigifyではメタリグをモデルへ合わせ、生成用の設定から操作用リグを作ります。生成後の操作用ボーンと変形用ボーン、元のメタリグを区別します。再生成が必要になった場合に備え、生成リグへ追加した独自の変更も管理します。自動でリグを作れても、ウェイトと関節の品質の確認は別です。

外部ソフトが制約やドライバーを評価しない場合は、動作をベイクして渡します。不要な制御骨を含めるか、変形骨のみか、単位・軸・FPS・範囲が合うかを確認します。交換用に変換したデータだけを残すと、元のリグによる修正へ戻れなくなる場合があります。

仕組みと用語を調べる

骨格と表面を分ける

Armatureはボーンで構成する骨格です。メッシュは見える表面を持ち、Armatureはその変形を制御します。骨をモデルの中へ置いただけでは、メッシュは自動で追従しません。Armatureモディファイアー、対象のArmature、頂点グループの重みなどを結び付けます。

ボーンは必ずしも実際の骨と同じ形・数ではありません。操作するコントローラー、変形に使う骨、補助的な計算のための骨を分ける構成があります。すべてを手で回すより、必要な操作を少数のコントローラーへまとめることがリグの目的です。

Object・Edit・Poseの三つのモード

Object ModeではArmature全体の配置を扱います。Edit Modeでは骨の位置、長さ、向き、親子関係など、基準となる構造を作ります。Pose Modeではその構造を使い、アニメーションの姿勢を付けます。Edit Modeで骨を動かすことは、一つのフレームにポーズを付ける操作ではありません。

Rest PositionとPose Positionの表示を区別します。既にスキニングしたモデルの基準姿勢を変更すると、変形全体へ影響します。姿勢が戻らないときは、ボーンの変換値だけでなく、キー、コンストレイント、ドライバーも確認します。

ボーンの構造と階層

ボーンはHeadとTailを持ち、Rollがローカル軸の向きへ関係します。見た目で骨が同じ方向へ伸びていても、Rollが違うと、ローカル軸による回転や制約の結果が変わることがあります。左右の命名規則と対称性も、ミラーやウェイト管理に関係します。

親子関係を作ることと、親のTailへ子のHeadを接続することは別です。接続しない子も親の変換を継承できます。一つの親から複数の子へ分岐でき、手から指が分かれるような階層を作れます。Bone Collectionsは骨の整理と表示に使い、変形への寄与を一括で決める仕組みとは区別します。

スキニングと自動ウェイト

メッシュへArmature Deformで親子付けする際には、空のグループを作る方式や自動ウェイトを使う方式などがあります。自動ウェイトは出発点を作るために便利ですが、関節の曲がり、衣服と身体の距離、重なる部品などを、目的に合う状態まで自動で解決する保証はありません。

一般的なウェイト変形では、ボーン名に対応する頂点グループの重みを利用します。一つの頂点が複数の骨の影響を受けることもあります。変形しない場合は、Armatureモディファイアーの参照、Deformの有効状態、グループ名、重みを確認します。メッシュとArmatureの両方を不用意に階層へ入れて、変換が二重に働いていないかも調べます。

ウェイトと変形の品質

肩、肘、膝などでは、重みの広がりと頂点の接続が形に影響します。Weight Paintは影響の数値を色で表示する編集で、赤く塗ること自体が目的ではありません。曲げたときにどの部分が追従し、どの体積が残るべきかを考えます。

NormalizeやMirror、Transfer Weightsなどで重みを整理できますが、必要なグループへ正しく作用したかを確認します。B-Bonesは分割を持つ滑らかな変形に利用できます。骨を増やす、分割を増やす、ウェイトを整える、シェイプキーで補正する方法は、それぞれ別の問題へ対応します。

FKとIK

FKは親から順に回転などを設定し、手先まで姿勢を作る考え方です。IKは手先や足先の目標を指定し、途中の骨の姿勢を計算します。手を物へ触れさせる、足を接地させるといった場面で、先端位置を制御しやすくなります。

IKではTarget、Chain Length、曲がる方向へ関係するPole Targetなどを確認します。意図しない方向へ折れる場合は、骨の基準姿勢、軸、チェーン、ターゲットの空間を見直します。Auto IKはポーズを作る補助であり、制御用オブジェクトや制約を設計したリグ全体と同じではありません。FKとIKを切り替える構成では、切り替え時に姿勢を合わせる仕組みも必要です。

制約・ポーズ・動作の再利用

Copy Rotation、Limit Rotation、Child Ofなどのコンストレイントは、ボーンの動きへ規則を加えます。Transformの数値と、制約後に見える姿勢が一致しない場合があります。リグのコントローラーにカスタムプロパティを用意し、ドライバーで制約の影響や表情を連動させる構成もあります。

Pose Assetは姿勢を再利用する手段で、時間に沿った動作を保存するActionと役割を区別します。動作を別の骨格へ使い回す場合は、骨の名前が一致するだけでは足りず、軸、長さ、階層、基準姿勢の対応も関係します。

Rigifyと書き出し

Rigifyはメタリグから操作用リグを生成する仕組みです。モデルへ合うようメタリグを調整し、生成したリグを使います。生成用の元と生成後のリグを区別し、再生成で独自の変更がどう扱われるかを確認します。自動リグ生成とウェイト調整は別の工程です。

外部形式へ書き出すときは、制約、ドライバー、補助骨のすべてが相手側で再現できるとは限りません。必要なら評価結果をキーへベイクし、変形骨、フレーム範囲、単位、軸を整理します。書き出す前の元リグを保存し、交換用データと編集用データを別に保持すると修正を続けられます。

検証した範囲

最終確認:2026年10月23日。Blender 5.2.2 LTS(macOS / Apple silicon)を背景実行し、次の内容を確認しました。

  • 2本の接続ボーン、Armatureモディファイアーと頂点グループによる変形を確認。自動ウェイトとIK調整は未検証。

背景実行ではPython APIを使用しています。マウス・キー入力、画面遷移、インストール、各入力機器での操作を通して確認したものではありません。上記にない応用・設定の組み合わせは実行未検証です。

出典と利用条件

この記事で参照したマニュアルの項目:

原著:Blender Documentation Team、Blender 5.2 Manual。底本はBlender 5.2 LTS ManualのEPUB版です。ファイル内の発行日時メタデータは2026年10月19日で、記事の検証日とは別です。原典のライセンス表示に従い、裏庭(Uraniwa)が翻訳・要約・再構成・説明の補足を行いました。この記事の本文・補足・独自の図解と作例画像はCC BY-SA 4.0で公開します。Blender公式による記事・推奨を示すものではありません。原典で適用対象外とされるロゴ・商標・アイコン・ソースコード・Pythonスクリプトなどには、この許諾は適用しません。