参考資料:必要なときに読む、原典に沿った日本語訳です。歴史やサービス名は原典の時点を示します。追加説明は「補足」として区別します。

この参考資料の使い方:これは機能を覚えるための一覧ではありません。古い教材のバージョンを調べたいときや、画面が変わった背景を知りたいときに使ってください。

この年表は、参照したBlender 5.2マニュアル「Blenderの歴史」の後半を訳したものです。原典の年表は4.3で終わっています。見出しの5.2までの全リリースを網羅した年表ではありません。歴史の前半は別の記事で読めます。

バージョンと改訂の節目

始まり

1.00 — 1994年1月
アニメーションスタジオNeoGeoでBlenderを開発中。
1.23 — 1998年1月
SGI版をウェブで公開。IrisGLを使用。
1.30 — 1998年4月
Linux版とFreeBSD版。OpenGLとX11へ移植。
1.3x — 1998年6月
NaNを設立。
1.4x — 1998年9月
Sun版とLinux Alpha版を公開。
1.50 — 1998年11月
最初のマニュアルを公開。
1.60 — 1999年4月
C-keyを導入。新機能の解除キーは95ドル。Windows版を公開。
1.6x — 1999年6月
BeOS版とPPC版を公開。
1.80 — 2000年6月
C-keyを終了。Blenderは再び全機能を無料で使えるソフトウェアに。
2.00 — 2000年8月
インタラクティブ3Dとリアルタイムエンジン。
2.10 — 2000年12月
新しいエンジン、物理演算、Python。
2.20 — 2001年8月
キャラクターアニメーションシステム。
2.21 — 2001年10月
Blender Publisherを公開。
2.2x — 2001年12月
macOS版。

Blenderのオープンソース化

2002年10月13日
Blenderをオープンソース化。第1回Blender Conferenceを開催。
2.25 — 2002年10月
Blender Publisherを無料で利用可能に。開発者が自由に試せる実験用の開発ツリーを作成。
2.26 — 2003年2月
初めての、完全にオープンソースとしてのBlenderリリース。
2.27 — 2003年5月
オープンソース化後、2回目のリリース。
2.28x — 2003年7月
2.28xシリーズ最初のリリース。
2.30 — 2003年10月
第2回Blender Conferenceで、2.3xのUI刷新のプレビュー版を発表。
2.31 — 2003年12月
2.3xのUIプロジェクトを安定版へ更新。
2.32 — 2004年1月
内部レンダリング機能を大幅に刷新。
2.33 — 2004年4月
ゲームエンジンが復帰。アンビエントオクルージョンと新しいプロシージャルテクスチャを追加。
2.34 — 2004年8月
パーティクル間の相互作用、LSCM方式のUVマッピング、実用的なYafRay統合、サブディビジョンサーフェスの重み付きクリース、ランプシェーダー、完全なOSA対応など、多数の機能。
2.35 — 2004年11月
オブジェクトフック、カーブによる変形とテーパー、パーティクルによる複製など、多くの改良。
2.36 — 2004年12月
安定化のためのリリース。内部での多くの改善、法線マッピングとディスプレイスメントマッピングの改良。
2.37 — 2005年6月
変形ツールとウィジェット、ソフトボディ、力場、衝突による偏向、段階的なサブディビジョンサーフェス、透明な影、マルチスレッドレンダリング。
2.40 — 2005年12月
アーマチュアの仕組みを全面的に作り直し。シェイプキー、パーティクルによる毛、流体、剛体。
2.41 — 2006年1月
多くの修正と、いくつかのゲームエンジン機能。
2.42 — 2006年7月
ノードを導入したリリース。配列モディファイアー、ベクトルブラー、新しい物理エンジン、レンダリング、リップシンクなど多数の機能。Project Orangeを経たリリース。
2.43 — 2007年2月
マルチレゾリューションメッシュ、複数レイヤーのUVテクスチャと画像、マルチパスのレンダリングとベイク、スカルプト、リトポロジー、追加の各種マット、変形・フィルターノード、モデリングとアニメーションの改良、複数ブラシによるペイントの改善、流体パーティクル、プロキシオブジェクト、シーケンサーの書き直し、ポストプロダクションでのUVテクスチャリング。
2.44 — 2007年5月
新しいモディファイアー二つと64ビットOS対応の再開に加え、大きな話題はサブサーフェススキャタリングの追加。生物や柔らかい物体の表面下で起きる光の散乱を再現。
2.45 — 2007年9月
重大な不具合を修正し、一部の性能上の問題にも対応。
2.46 — 2008年5月
70人を超える開発者の大きな取り組みから生まれたPeachリリース。髪と毛、新しいパーティクルシステム、画像閲覧の改善、クロス、作業を妨げず滑らかに使える物理キャッシュ、反射・AO・レンダーベイクの改善、筋肉などに使うメッシュ変形モディファイアー、アーマチュアツールと描画・スキニング・コンストレイント・色付きアクションエディターによるアニメーション対応の改善など。Project Peachの成果を収録。
2.47 — 2008年8月
不具合修正リリース。
2.48 — 2008年10月
Apricotリリース。GLSLシェーダー、照明とゲームエンジンの改善、スナップ、空のシミュレーター、シュリンクラップモディファイアー、Python編集の改善。Project Apricotの成果を収録。
2.49 — 2009年6月
ノードベースのテクスチャ、Etch-a-Tonというアーマチュアのスケッチ機能、メッシュのブーリアン演算改善、JPEG2000対応、画像をモデルへ直接転写する投影ペイント、充実したPythonスクリプト集。ゲームエンジンには、ゲーム中に動画を再生できるビデオテクスチャ、Bullet物理エンジンの更新、ドーム(魚眼)レンダリング、追加のAPI呼び出しなど。

Blender 2.5x — コードの全面刷新

2.5x — 2009年から2011年8月
2009年11月のAlpha 0から2010年7月のBetaまで、四つの先行版と、2011年4月の2.57から同年8月の2.59まで、三つの安定版を公開。ソフトウェア全体の再構成、新機能、内部ウィンドウマネージャーとイベント・ツール・データ処理の再設計、新しいPython APIを含む、最も重要な開発プロジェクトの一つ。最終版は2011年8月の2.59。

Blender 2.6x〜2.7x — 改良と安定化

2.60 — 2011年10月
UIの国際化、アニメーションシステムとゲームエンジンの改良、頂点ウェイトグループのモディファイアー、3D音声と動画、不具合修正。
2.61 — 2011年12月
開発本流にCyclesレンダラーを追加。カメラトラッカー、メッシュの接触・接近でテクスチャを変えるダイナミックペイント、海と泡を再現する海洋モディファイアー、新しいアドオン、不具合修正、Python APIの拡張。
2.62 — 2012年2月
ブーリアン演算を改善するCarveライブラリ、オブジェクトトラッキング、リメッシュモディファイアー、ゲームエンジンの多数の改良、Python APIの行列とベクトルの改良、新しいアドオン、多数の不具合修正。
2.63 — 2012年4月
Bmeshを開発本流に統合し、多角形を完全にサポート。スカルプト時の非表示、Cyclesのパノラマカメラ、ミラーボールの環境テクスチャと浮動小数点精度のテクスチャ、レンダーレイヤーのマスクレイヤー、アンビエントオクルージョン、背景画像とレンダーレイヤーのビューポート表示。新しい読み込み・書き出しアドオン、150件の不具合修正。
2.64 — 2012年10月
マスクエディター、改良したモーショントラッカー、OpenColorIO、Cyclesとシーケンサーの改良、差し込みとベベルなどのメッシュツール改善、新しいキーイングノード、スカルプトのマスク、COLLADA改善、スキンモディファイアー、新しいコンポジティングノードの内部処理、多くの不具合修正。
2.65 — 2012年12月
炎と煙の改善、Cyclesの異方性シェーダー、モディファイアーの改良、ベベルツールの丸め、新しいアドオン、200件を超える不具合修正。
2.66 — 2013年2月
ダイナミックトポロジー、剛体シミュレーション、Retinaディスプレイ対応を含むUIと使いやすさの改善、Cyclesの髪対応、個々の頂点に対するベベル、新しいメッシュキャッシュとUVワープのモディファイアー、新しいSPHパーティクル流体ソルバー。250件を超える不具合修正。
2.67 — 2013年5月
Freestyle、ペイントシステム改善、Cyclesのサブサーフェススキャタリング、モーショントラッカーのCeresライブラリ、カスタムPythonノード、新しいメッシュモデリングツール、UTF-8テキスト対応とテキストエディターの改善、3Dプリント向けアドオン、260件を超える不具合修正。
2.68 — 2013年7月
新規・改良されたモデリングツール、三つの新しいCyclesノード、モーショントラッカーの大幅な改善。安全性のためファイル読み込み時にPythonスクリプトとドライバーを既定で無効化。280件を超える不具合修正。
2.69 — 2013年10月
さらに多くのモデリングツール、Cyclesの多方面での改善、モーショントラッカーの平面トラッキング、FBXの読み込み・書き出し対応改善、270件を超える不具合修正。
2.70 — 2014年3月
CyclesのCPUでの基本的なボリューム対応、モーショントラッカーの追加改善、二つのモデリング用モディファイアー、UIの一貫性改善、560件を超える不具合修正。
2.71 — 2014年6月
Cyclesに変形モーションブラーと炎・煙への対応を追加。UIポップアップをドラッグ可能に。スカルプトモードの性能最適化、新しいアニメーション補間方式、ゲームエンジンの多数の改良、400件を超える不具合修正。
2.72 — 2014年10月
CyclesでGPUによるボリュームとSSSに対応。パイメニュー追加、ツールチップの大幅改善、交差モデリングツール、コンポジターのサンビームノード、CyclesでのFreestyle対応、テクスチャペイントの作業手順改善、220件を超える不具合修正。
2.73 — 2015年1月
Cyclesのボリューム対応改善、Grease Pencilの大幅更新、Windowsの入力メソッドエディター(IME)対応。ペイント、Freestyle、シーケンサー、アドオン全般の改善。
2.74 — 2015年3月
カスタム法線、ビューポートコンポジティング、ヘアーダイナミクスの改善。
2.75 — 2015年7月
ステレオ・マルチビューの制作工程を統合。スムーズ補正モディファイアー、新しい依存関係グラフを開発段階で導入。
2.76 — 2015年11月
Pixar OpenSubdiv対応。ビューポートとファイルブラウザーの高速化、ノードの自動オフセット、シーケンサーのテキストエフェクトストリップ。
2.77 — 2016年3月
煙・ボリュームシミュレーションのキャッシュ用OpenVDB対応、Cyclesのサブサーフェススキャタリング改善、Grease Pencilのストロークスカルプトと作業手順改善。紛失・削除されたデータブロックを管理するためライブラリ処理を再構成。
2.78 — 2016年9月
CyclesでVR向けの球面ステレオ画像に対応。Grease Pencilの操作をほかの2D描画ソフトに近付け、Alembicの読み込み・書き出しに対応。より簡単なリギングのためBendy Bonesを改良。
2.79 — 2017年9月
Cyclesにデノイズ、シャドウキャッチャー、新しいPrincipledシェーダー。Grease PencilとAlembicの改善。アプリケーションテンプレートにも対応。

Blender 2.8 — UIの刷新

2.80 — 2019年7月
操作しやすさのためUIを全面再設計。ビューポート、ギズモ、ツールを改善。物理ベースの新しいリアルタイムレンダリングエンジンEEVEEを開発。Grease Pencilを大幅刷新し、本格的な2D描画・アニメーションシステムに。従来のレイヤーに代わるコレクションでオブジェクトを強力に整理。Cycles、モデリング、アニメーション、読み込み・書き出し、依存関係グラフも改善。
2.81 — 2019年11月
スカルプトツール刷新、CyclesのOptiX高速化レンダリングとデノイズ、EEVEEの多くの改善、ライブラリオーバーライド、UI改善など。
2.82 — 2020年2月
UDIMとUSD対応、流体・煙シミュレーション用Mantaflow、AIデノイズ、Grease Pencilの改善など。
2.83 LTS — 2020年6月
3DビューポートでVRによるシーン確認、新しいボリュームオブジェクト、Cyclesの適応サンプリングとビューポートデノイズ、スカルプト改善など。スタジオや長期プロジェクトの利用を支える最初のLTSリリース。

Blender 2.9 — 2.8を磨く

2.90 — 2020年8月
空のテクスチャ改善、EEVEEのモーションブラー、スカルプト改善、モディファイアーUI刷新、モデリングツール改善、Cyclesのモーションブラー高速化。
2.91 — 2020年11月
アウトライナー改善、プロパティ検索、メッシュのブーリアン演算とアニメーションカーブの改善、ボリュームオブジェクトと表示の改善、スカルプトツールの洗練。
2.92 — 2021年2月
ジオメトリノード、プリミティブ追加ツール、スカルプト改善、Grease Pencilのカーブ編集、Cyclesのカラー属性ベイク、APIC流体シミュレーション、ビデオシーケンサー改善など。
2.93 LTS — 2021年6月
新しいジオメトリノード、スカルプト改善、Grease Pencilのラインアートモディファイアーなどの改良、EEVEEの被写界深度改善、Cryptomatteの作業手順再設計など。2.9シリーズのLTSリリース。

Blender 3.0 — 性能の最適化

3.0 — 2021年12月
アセットブラウザー、Cycles X、EEVEEの属性、新しいジオメトリノード、アニメーション更新、Grease Pencilのラインアート改善、ポーズライブラリ。Open Image Denoisingが2〜8倍高速化。LinuxでのAMD対応を拡充。
3.1 — 2022年3月
ポイントクラウドを大幅改善。CyclesでApple Metal GPU対応、サブディビジョンのGPU対応、画像エディターでより大きい画像を処理可能に。ジオメトリノードの大幅な高速化と、文脈を考慮する検索。
3.2 — 2022年6月
Cyclesのライトグループ、正確なシャドウコースティクス、ボリュームのモーションブラー、GLTF改善、LinuxでのAMD GPUレンダリング、スカルプトモードでのペイント、WEBp画像対応。
3.3 LTS — 2022年9月
新しいヘアーオブジェクト、プロシージャルUVノード、ラインアートの影と輪郭、oneAPI経由のIntel GPUレンダリング、ライブラリオーバーライド改善。3.0シリーズ最初のLTSリリース。
3.4 — 2022年12月
Cyclesのパスガイディング、スカルプトの自動マスク改善、さらに多くのジオメトリノード、UV編集改善、LinuxのWayland対応。
3.5 — 2023年3月
新しい生成型ヘアーアセット、スカルプト用ベクターディスプレイスメントマップ、ビューポートコンポジター、Cyclesのライトツリー。
3.6 LTS — 2023年6月
ジオメトリノードにシミュレーションノードを追加。CyclesでAMDとIntelのハードウェアレイトレーシング、UVアイランドの配置、Blender Studioとコミュニティアーティストのアセット集を同梱、新しいリトポロジーオーバーレイ。3.0シリーズ最後のLTS。

Blender 4.0 — レンダリングやツール制作などの大きな飛躍

4.0 — 2023年11月
コートとシーンのレイヤーを備えた新しいPrincipled BSDF、AgXビュー変換、ボロノイテクスチャのフラクタルノイズ、対象を選んで照らすライトリンキング。ジオメトリノードをノードツールとして実行。スナップ基点を含むスナップ改善、メニューとモディファイアーの文字入力検索、新しいInter書体、整理したキーマップ、ボーンコレクション、Hydra Storm USDレンダラー、拡充したアセットライブラリ、VFX Reference Platform 2023への準拠。
4.1 — 2024年3月
ジオメトリノードのベイク、メニュースイッチノード、OpenImageDenoiseのGPU高速化、リアルタイムのビューポートコンポジター機能拡充。アニメーションのキーフレーム挿入を簡略化、階層的なボーンコレクション、グラフエディターのクリック・スライド操作、ビデオシーケンサーの性能とカラースコープ改善。VFX Reference Platform 2024への準拠、アーマチュアとシェイプキーのUSD書き出し。
4.2 LTS — 2024年7月
次世代EEVEEで照明、サンライト、ディスプレイスメント、サブサーフェス、ボリューム、モーションブラーを大幅更新。CyclesにRay Portal BSDFと薄膜干渉、ノイズを抑えた柔らかなボリューム描画、ブルーノイズによるサンプリング。Blender Extensionsプラットフォーム開始、Khronos PBR Neutral Tone Mapper、スカルプトの選択改善、ノード入力の行列対応、ノードツールでマウス位置とビューポートを利用可能に。ビデオシーケンサーの外観刷新、USD書き出し設定の追加、標準でのポータブルインストール対応。4.0シリーズ最初のLTS。
4.3 — 2024年11月
EEVEEのライトリンキングとシャドウリンキング、Metallic BSDF、Gaborノイズテクスチャ、コンポジターでEEVEEのレンダーパスを利用可能に。伸びを最小にするSLIM方式のUV展開、for...eachゾーンを含む多くのジオメトリノード更新、物理ノード。速度と機能のためGrease Pencilエンジンを再実装。ペイントとスカルプト向けの100種類を超える標準ブラシ、UIエリアのドッキング。

編集上の注:冒頭の1.00の年月と、歴史本文にある1.0公開の年月は原典内で異なります。ここでは原典の年表を保持しています。

出典と利用条件

この記事で参照したマニュアルの項目:

原著:Blender Documentation Team、Blender 5.2 Manual。底本はBlender 5.2 LTS ManualのEPUB版です。ファイル内の発行日時メタデータは2026年10月19日で、記事の検証日とは別です。原典のライセンス表示に従い、裏庭(Uraniwa)が翻訳・要約・再構成・説明の補足を行いました。この記事の本文・補足・独自の図解と作例画像はCC BY-SA 4.0で公開します。Blender公式による記事・推奨を示すものではありません。原典で適用対象外とされるロゴ・商標・アイコン・ソースコード・Pythonスクリプトなどには、この許諾は適用しません。