分野別の詳説:参照したマニュアルの主要な仕組み・操作・設定を翻訳・要約・再構成した日本語解説です。全項目の逐語訳ではありません。確認順や例は編集上の補足です。手順から先に読み、必要なときに後半の仕組みの解説へ進めます。

この章の目標:対称・厚み・面取りの順を読む。
準備:中心面と原点をそろえた片側メッシュ。

Mirror → Solidify → Bevel → 一段ずつ表示を比較。成功:各段が形へ加えた変化を区別できる。注意:Applyを急いで元の設定を失う
手順と確認点の模式図。図を押すと拡大できます。

ベベル:鋭い角に幅を持たせる

ベベルは角を面取りする操作です。Bevelモディファイアーは、Edit Modeで直接加工する方法に対する、後から調整できる選択肢として説明されています。Object Modeに戻り、立方体を選んで、Propertiesのレンチのアイコン(Modifiers)→ Add ModifierからBevelを探して追加します。モディファイアーは、元のメッシュに計算処理を重ねて形を変える仕組みです。

  • Width:面取りの量。Width Typeによって値の解釈が変わります。
  • Segments:面取り部分の分割数。値を増やすと、その部分をより細かく分割します。
  • Limit Method:どの辺に作用させるか。Angleでは角度を基準に対象を絞ります。
  • Clamp Overlap:形状の重なりを避けるため、幅を制限します。

「幅を変えても効かない」ときは、角度などの対象条件や重なり回避、オブジェクトのスケールを確認します。モディファイアーを追加することと、その結果をApplyで確定することも別です。学習中は、すぐ確定せず設定を見比べられる状態を保つと理解しやすくなります。

実践:対称形に厚みと面取りを加える

  1. 対称面を決め、元メッシュを片側へ作ります。Mirrorは原点を通るローカル軸、またはMirror Objectを基準にするので、原点を先に確認します。
  2. Mirrorを追加し、対象のAxisを選びます。中心を接続したい場合はMergeを有効にし、Merge Distanceを小さい値から調整します。
  3. 中心の頂点を編集するときはClippingを利用します。Clippingは中心を越える移動を防ぐ補助であり、中心から離れた頂点をすべて自動結合する機能ではありません。
  4. Solidifyを追加し、ThicknessとOffsetを調整します。非一様スケールが幅へ影響するため、必要なら作業用コピーでApply Scaleした結果と比較します。
  5. Bevelを後段へ追加し、幅を小さく設定してSegmentsを増やします。Limit Methodで対象をAngleやWeightへ絞ります。
  6. モディファイアーの表示を一つずつ切り替え、どの段で厚み・結合・面取りが作られるかを確認します。調整を続ける間はApplyを急ぐ必要はありません。

順を変えると結果も変わります。Mirrorより前のBevelは元メッシュの境界へ作用し、Mirror後のBevelは結合された形へ作用します。Solidify後なら厚みによってできた辺もBevelの対象になり得ます。

主な生成モディファイアーの設定

機能主要設定の意味条件・失敗の見方
MirrorAxisは反転方向、Mergeは中心の結合、Bisectは片側の切断原点、ローカル軸、Mirror Object、結合距離を見る
BevelWidth Typeで幅の解釈、Segmentsで分割、Limit Methodで対象を決める幅が大きすぎる、狭い面がある、非一様Scaleなどを調べる
SolidifyThicknessは厚み、Offsetは元の面に対する位置、Rimは縁の生成へ関係法線の不整合、交差、Simple方式で扱えない接続を確認する
Subdivision SurfaceCatmull-Clarkは滑らかな細分化、Simpleは主に分割ViewportとRenderのレベル、Crease、支持ループを見る
BooleanDifferenceは差、Unionは和、Intersectは共通部分閉じた形、面の向き、重なり、ソルバーを確認する
DecimateCollapseのRatioは残す量、Un-Subdivideは規則的分割の復元、Planarは平面部の簡略化Ratioは三角形換算が関係する。四角面の枚数がそのまま半分とは限らない
Remesh形を別の密度・接続へ作り直す近い隙間、小さい部品、属性の保持を確認する
Weld距離などを基準に頂点を結合する離しておきたい部分までつながらないよう閾値を抑える
Triangulate三角面へ変換し、その分割方式を選ぶ非平面の面や、変形後の陰影も確認する
Screw軸に沿う回転と移動で面を生成する軸、原点、角度、反復、分割数を合わせる
Wireframe辺に沿って太さのある構造を作るSolid表示をワイヤーへ切り替える操作とは異なる

Subdivisionのレベルを一つ上げると、一般的な四角面では面がさらに四分割されます。複数段を上げる際はメモリ増加を考えます。Optimal Displayはワイヤーの表示を整理する設定で、生成される形を減らすことと同じではありません。

実践:Booleanで穴を開ける

  1. 穴を開ける本体と、切り抜くためのメッシュを別オブジェクトで作り、実際に交差させます。
  2. 本体へBooleanを追加し、OperationをDifferenceにして切断用オブジェクトを指定します。
  3. 切断用の形が本体の必要な範囲を貫いているかを確認します。切断用オブジェクトの表示で穴が隠れている場合は、作業表示を調整します。
  4. 異常が出る場合は、同一平面の重なり、穴の開いた入力、自己交差、面の向きを調べます。Manifoldソルバーは非多様体を処理できません。
  5. 必要ならその後へBevelを置きます。Booleanの出力が細長い面や複雑なnゴンを作ることもあり、後段の処理へ影響します。

新旧Arrayを設定名から読み分ける

参照EPUB版の新Arrayでは、ShapeにLine・Circle・Curve・Transformがあります。LineはRelative、一定のOffset、Endpointなどで間隔を決め、CircleはRadiusや角度、Curveは参照カーブなどを使います。生成物をインスタンスとして保持する構成があり、結合やBooleanなどに必要ならRealize Instancesを使います。

Array (Legacy)はFit TypeのFixed Count・Fit Length・Fit Curve、Relative Offset・Constant Offset・Object Offsetなどを持ちます。Relative Offsetは元形状のBounding Boxを基にし、Object Offsetは参照オブジェクトの変換を使います。旧方式のFit Curveは、カーブに沿って自動で形を曲げる意味ではありません。曲げたい場合のCurveモディファイアーとは別です。

変形・データ処理を設定する

Simple DeformはTwist・Bend・Taper・Stretchを選び、軸、AngleまたはFactor、Limits、必要ならOriginとなる参照を設定します。ローカル空間で計算するため、軸が違えば同じ値でも別の変形になります。元形状に十分な分割がないと、滑らかな曲がりは得られません。

Curveは参照カーブとDeformation Axis、相互の原点と位置を合わせます。カーブを参照しただけで、離れた形が自動で都合よく整列する仕組みではありません。Latticeは制御格子、ShrinkwrapはTargetの面、Displaceはテクスチャ・座標・方向・Strength・Midlevelなどを使います。

ShrinkwrapのNearest Surface Pointは近い表面、Nearest Vertexは近い頂点、Projectは指定軸から届いた面を使います。Projectで動かない場合は、軸、正負方向、距離制限、Face Cullを調べます。Offsetの作用方向は方式やSnap Modeで異なります。

Data TransferやWeighted Normal等は、面を増やす処理と別です。参照先、転送する属性、対応付け、スタック順を指定します。見た目が直っても、形の接続やUVが正しいとは限りません。Apply後に元の設定へ戻れなくなることも含め、元データを残して判断します。

仕組みと用語を調べる

元の形と計算結果を分ける

モディファイアーは、元の形を直接編集せずに処理結果を作る仕組みです。複数の処理をスタックとして積み、その順で結果を計算します。同じ組み合わせでも、Mirrorの後にBevelを置く場合と、その逆では結果が変わります。

表示とレンダリングの有効状態、Edit Modeでの表示、ケージへの反映を区別します。Applyすると処理をデータへ反映するため、元のパラメーターでの調整ができなくなります。別名保存や複製を残す方法は、編集上の対策です。値を変えても効かない場合は、対象データとスタックの順を調べます。

対称・繰り返し・厚み

Mirrorは原点や指定した基準に対して反転した形を作ります。結合やクリッピングの条件が中心の接続へ影響します。Arrayは配置を繰り返す処理です。参照EPUB版には新しいArrayとArray (Legacy)が別項目で収録されており、画面と設定を混ぜて説明しないことが重要です。

新しいArrayにはLine、Circle、Curve、Transformなどの配置方式、個数や間隔、回転の整列、ランダム化が含まれます。結合にはRealize Instancesが必要となる設定もあるため、単純な複製と実体化を区別します。Solidifyは面に厚みを作り、Offsetや法線、狭い場所の交差に注意します。

分割・角・面数

Subdivision Surfaceは形を細分化し、方式によって滑らかにします。形を保つ辺やCreaseなどが輪郭へ影響します。Multiresolutionは複数の解像度を持ち、スカルプトの詳細を扱う用途に向きます。元の低解像度の構造を変えるときは、保持する情報との関係を確認します。

Bevelは角へ幅を付け、角度、重みなどの条件で対象を絞れます。Decimateは面数を減らし、Remeshは別の分割で形を作り直します。Triangulateは面を三角形へ変換します。いずれもUV、属性、変形後の形や陰影へ影響するため、軽くなったことだけで成否を判断しません。

合成・接続・構造生成

BooleanはDifference、Union、Intersectなどで形を組み合わせます。ソルバー、重なり方、面の向き、閉じた形かどうかが結果へ関係します。見えているだけの交差線を自動的にきれいな接続へ変える保証はありません。

Weldは距離などの条件で頂点を結合し、Wireframeは辺に沿う構造を作ります。Screwは回転を使った形、Skinは頂点と辺から厚みのある構造を作る手段です。Buildは時間に沿って面を表示します。Maskは頂点グループなどで一部を隠し、Edge Splitは辺の接続を分離します。

形を変える処理

  • Armature:ボーンとウェイトに基づき形を変えます。
  • Curve・Lattice:カーブや格子状の制御対象を使って形を変えます。
  • Simple Deform:曲げ、ねじり、テーパーなどの変形に使います。
  • Shrinkwrap:別の面へ沿わせます。投影方法や距離を確認します。
  • Displace:テクスチャなどの値を変位へ変換します。座標、方向、強さが重要です。
  • Hook・Warp:指定した範囲や基準の間で変形を制御します。
  • Cast・Mesh Deform・Surface Deform・Laplacian Deform:形状や他の変形対象との関係を利用します。Bindが必要な処理は、その時点の状態も確認します。
  • Smooth・Laplacian Smooth・Corrective Smooth:異なる方式で形を滑らかにします。体積や細部がどう変わるかを見ます。

データと法線を扱う処理

Data Transferは別メッシュから情報を転送し、UV Project・UV WarpはUVへ作用します。Vertex Weight Edit・Mix・Proximityは、頂点グループの重みを加工します。Mesh CacheやMesh Sequence Cacheは外部の動く形状データを参照するため、パスと時間の対応も必要です。

Weighted Normal、Normal Editなどは法線を扱います。形状を追加する処理と陰影を変える処理を分けて考えます。制御範囲の頂点グループ、参照オブジェクト、データ型の条件を見直すと、効かない原因を絞れます。

ボリューム・新しい生成処理

Mesh to VolumeとVolume to Meshは、表面のメッシュと体積の表現を変換します。ボクセルの細かさは、形の精度とメモリ量に関係します。Curve to Tubeはカーブに沿う管、Scatter on Surfaceは面上への配置を扱います。Geometry Nodesのモディファイアーでは、さらにノードで処理を構成できます。

物理演算に関係するモディファイアーは、時間、キャッシュ、スタック順も結果へ影響します。目的の効果を得る最小の組み合わせから始め、一段ずつ表示を切り替えると、どの段で問題が起きたかを確認できます。

検証した範囲

最終確認:2026年10月23日。Blender 5.2.2 LTS(macOS / Apple silicon)を背景実行し、次の内容を確認しました。

  • 片側の面へMirror→Solidify→Bevelの順で適用し、評価後の頂点・面の生成を確認。

背景実行ではPython APIを使用しています。マウス・キー入力、画面遷移、インストール、各入力機器での操作を通して確認したものではありません。上記にない応用・設定の組み合わせは実行未検証です。

出典と利用条件

この記事で参照したマニュアルの項目:

原著:Blender Documentation Team、Blender 5.2 Manual。底本はBlender 5.2 LTS ManualのEPUB版です。ファイル内の発行日時メタデータは2026年10月19日で、記事の検証日とは別です。原典のライセンス表示に従い、裏庭(Uraniwa)が翻訳・要約・再構成・説明の補足を行いました。この記事の本文・補足・独自の図解と作例画像はCC BY-SA 4.0で公開します。Blender公式による記事・推奨を示すものではありません。原典で適用対象外とされるロゴ・商標・アイコン・ソースコード・Pythonスクリプトなどには、この許諾は適用しません。